警察捜査に求められる感性

2012年12月28日 · 未分類

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12月22日土曜日、東京四谷の司法書士会館で行われた犯罪被害者のシンポジウムに参加してきました。交通事故でわが子を亡くした生命のメッセージ展代表の鈴木共子さんの講演などに続き、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏の講演を拝聴しました。鳥越俊太郎しは1999年10月に発生した桶川女子大生ストーカー殺人事件を取材した経緯から、警察組織内に長年はびこる民事不介入の原則が重大事件の防止を阻害していると述べていました。また現場で活動する警察官の捜査感覚、感性の醸成が必要だという意見でした。私も両方ともそのとおりであると感じます。確かに桶川ストーカー事件以降は署内会議の場で民事不介入の原則は存在しないという認識をもつことと指示され、現場の警察官の意識は徐々に変化していると思います。問題は現場にいる警察官の捜査感覚・感性です。警察は階級社会であることはご存じのとおりです。第一線の事件事故犯罪現場で活動する警察官には鋭い捜査感覚や捜査感性を持っている方がたくさんおります。しかし、その捜査感覚や感性が組織的に反映されない大きな理由が私なりになんとなく感じていることがあります。階級社会では上位階級者こそ研ぎ澄まされた捜査感覚、感性が必要です。上位階級者特に捜査主任官などと言われる職に就いた人が、どうしようもないサラリーマン的警察官や昇任と上司の顔色伺い、問題の先送りによる責任所在の放棄に多くの時間を費やすような場合、現場の捜査感性が組織捜査に反映されないことがお分かりかと思います。これは階級制度の弊害部分です。階級制度には多くのメリットもあるのですが、警察の本来の目的を達成するために欠かせない大切な部分に階級制度の弊害が押し寄せているのです。
鳥越修太郎氏は、上位階級者は捜査の感性は必要ないけれども現場の警察官には捜査感性、直観を養う教育が必要と説いていましたが、組織にいた私の個人的感想では逆だと感じます。機会をつくってそのあたりを鳥越氏に伝えたいと思います。
せっかく優秀な警察組織を作り上げるためにはどのような改革が必要であるかを真剣に考えてくれている方々とはしっかりと意見交換をしていきたいと思います。

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