埼玉県草加市の母子巻き添え死傷事故

2017年02月11日 · 未分類

2月8日、埼玉県草加市の交差点で赤信号無視をして交差点内に進入したトラックが、青信号で交差点内に進入して来たトラックと衝突した。

この事故の弾みで両方のトラックは引きずり合いながら進行し、赤信号無視をしたトラックが歩道に乗り上げた。
トラックは折から子供と手を繋ぎ歩道を歩いていた母子に衝突し、母親が死亡、子供が怪我を負った。

母親は最後まで子供をかばったとみられる。
IMG_0449

2月10日テレビ朝日ワイドスクランブルで佐々木が事故への思い、捜査の行方を解説した。

本当に痛ましい事故である。
事故態様の悪質性もさることながら、このような被害者に何の落ち度もないのに大切な命が奪われる交通事故が繰り返されることへの怒りが込み上げた。

IMG_0450

IMG_0451

放送前、テレビ朝日六本木スタジオ控室で情報整理中に言葉を失ない鬼の形相になる。

赤信号無視をした運転手は渋滞を避け迂回した初めての道路に入り、スマートフォンのナビゲーションを見ており信号に気付かなかったと供述している。

警察は過失運転致死傷罪で現行犯逮捕して事件を検察官に送致した。
当然危険運転致死傷罪を視野に捜査を進めているだろう。
状況によっては危険運転致死傷に切り替えて起訴ということもあり得るかもしれない。
乗り越えなければいけない大きな山は、殊更に赤信号を無視したことの立証責任を果たせるのかということである。

これは社会正義の問題として重大な結果をもたらした犯人に適正な処罰を与える機能の話しである。
大切なことである。

佐々木の怒りは、逮捕事実とか当初から危険運転致死傷を適用しない捜査に対するものではない。
このような悲惨な事故が度々繰り返されていることにある。

防げないことに悔しさが込み上げる。

以前、佐々木の友人の奥様も小さい子供と一緒に横断歩道を歩いていたところトラックに跳ねられ、お母さんは最後まで必死に子供を守り抜き亡くなった。子供は奇跡的に助かった。
類似、同種事件は警察官現職中から経験している。

自分には何もできないが、どうして防げないのかという怒りだけが込み上げる。

再発防止策で罰則強化、厳格な規制法令を作ることに異議を唱えるつもりもない。被害者の報復感情に報いるために国が耳を傾けることも当然だと思う。

しかし現在の法令に不備があっても、たとえ特別法であっても全ての人が道交法を守れば事故は防げるようにできている原点に立ち返ってほしい。

ザル法と言われる道交法であるが、交通の安全と円滑を図る規則としてはよくできている。

法令による罰則の圧力で運転手の行動を制御することに期待するには限界がある。
人と車が共存するためには、道交法に定められたルールを守り、命が守られる交通社会であることに光を当てて考えたいと思う。

適用法条の問題や責任追及の問題と再発防止策の問題は別の次元だと元捜査員としての実感する。

タグ :