交通事故調査の成果

2014年04月20日 · 未分類

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当社はまだ設立から日が浅く若い会社で目に見える数の成果は表れていない。しかし少しづつだがようやく各地で成果が出始めてきているようだ。(もちろん全てが成功しているわけではない)

新聞は神奈川県で発生した自動車と歩行者の交通死亡事故で私が取り扱った事件の記事である。
私は真っ向から実況見分を否定したが、やみくもにただ否定したわけではない。

100%私の調査、鑑定結果が反映されているものでもない。
調査結論の不備を指摘されることも当然ある。
しかし私は警察官として培ってきた経験と捜査手法から調査結論を導いており、自分の思い込み持論を展開しているわけではないため、訴訟法上重要な問題提起をすることができると考えている。
それが新聞報道のように画期的な素晴らしい例となっていると感じる。

もちろん弁護士をはじめ多くの方の力が結集したからこそできたことである。

刑事であれ民事であれ実況見分調書がスタートラインと考えている弁護士がまだまだたくさんいるが、そういった先生方は少しだけ視点を変えてみて欲しいと真剣に感じる。

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専門家の経験による調査、鑑定

2014年04月20日 · 未分類

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出張先から事務所に戻ると注文していた本が届いていた。日本の犯罪史上稀に見る重要事件の多くで法医解剖、DNA型鑑定、薬毒物分析、遺体検案を行ってきて、今なお現役で活躍しておられる押田茂實先生の著書「法医学現場の真相」(祥伝社新書)。
私は検死、解剖としてご遺体の見分捜査手法は分かるが、法医学のような専門知識などあるはずもない。私が押田先生から学んだのは愚直に一切の妥協を許さない法医学者としての鑑定姿勢である。当然であるが法医学者としての先生は厳しい。それでいて医学無知の私にも解るように説明してくれる。
私の調査報告書は先生との出会いがあってから大きく構成が変わった。私なりに交通事故調査、鑑定の専門家としてのスタンスが明確になったと思う。

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写真は一昨年、炎天下の九州で私と弁護士が行った交通事故調査の過程で押田先生の協力をいただいた後の懇親会。こんなに優しい大学名誉教授にこれまでお目にかかったことはない。
どうやらまた先生のご意見を伺うことになりそうだ。緊張する。

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この時の現場は様々な出来事があった。
きわめつけは関空でTRANSIT CARDを渡される状況になった。

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交通事故被害者遺族の問題

2014年04月01日 · 未分類

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3月31日、年度末の忙しい時期でしたが衆参両議員会館を何度か行き来して、平沢勝栄衆議院議員、清水貴之参議院議員、清水鴻一郎衆議院議員、東徹参議院議員、西野弘一衆議院議員、糸数慶子参議院議員と党利党派を超えて交通事故捜査や処分結果について
交通事故被害者遺族が今現在直面している問題点を具体的に掘り下げて話し合いする機会に恵まれました。各議員はそれぞれの地域社会が抱えている多くの事例への取り組みに照らして真剣に問題解決策を考えておられました。

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確かに県警が行う事件事故処理に感謝している被害者も沢山いるし、警察の活動に深い理解を示している協力者も沢山います。
でも交通事故捜査に限ってみると、被害者、遺族、時には被疑者までも
極めて強い不信感、場合によっては敵意を抱いている方も大勢いる現実があります。

もう無条件に警察の捜査結果を信用しろ、という考えいは通用しないほど不信感は高まっています。
やみくもに不信感を抱いているのではありません。

合理的理由を示した上での説明。これは交通事故当事者であれば被疑者、被害者ともに望むことだと思います。
本日の話し合いでも、その方向性に間違いはないと感じました。

少しづつ被害者遺族を取り巻く社会は変えられると思いました。

常々連絡を密にしている先生方から「刑事司法は被害者のためにもある。」という言葉を教えてもらいましたが、まさにその通り、的を得たことばだと思います。
折しも納得いかない実況見分調書を基本にして、民事を闘おうとしているご遺族と弁護士に接し

一日でも早く、被害者遺族が直面する問題と警察の初期捜査の温度差が縮まることを願って議員会館を後にしました。

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高速道路での交通事故・二次被害防止策

2014年03月23日 · 未分類

また、高速道路で起きた交通事故に関連し、二次被害事故で幼い命が亡くなりました。本当に悲しい出来事です。
3月21日午後10時5分ころ、静岡県静岡市駿河区大谷の東名高速道路下り線で、単独事故で車道に停車していた乗用車に
後方から走行してきた大型トラックが追突する事故が発生しました。

この事故で高速道路上に停止していた乗用車に乗車していた小学2年生の女子8歳が、車外に放出され死亡しました。
現場の道路は片側2車線の右カーブとなっており、乗用車は左側車線のガードレールに衝突する単独事故を起こし車道に停止してた。

高速道路上で車が故障したり、事故で動けなくなったらどうすればいいのか?
必ずマニュアルで決められた通りにすることが最善策ではありません。時と場合で最善策は異なると思います。
しかし、事故が起きて車が本線車道上に止まり、身動きができなくなったら

もし、小さなお子さんや、高齢の方が乗車していたなら、それらの弱者は無条件に
安全を確認してい車から速やかに降車し、ガードレールの外側に出て待機すべきです。

もちろん、ガードレールの外まで道路を横断することは極めて危険ですが、車内に留まっている危険性と比べたら
車の通行状態をよく確認して、一気に渡りきってしまう方が遥かに安全だと、私は思います。
もしかしたら、場所によっては中央分離帯に退避した方がいい場合もあります。

このまま車に乗っていて大丈夫かな?
車が動かないけどどうしよう?
と考え悩む時間を作る必要などありません。とにかく一刻も早く
身の安全を守る最善の方法を迷わず実行することが大切だと思います。

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宮城県警察官の飲酒運転

2014年03月23日 · 未分類

3月に入って警察官の飲酒運転が多発しているようです。とても残念です。
3月17日の報道では、私の古巣、宮城県警察の警察官による飲酒運転事件が報道されました。
元いた職場の不祥事はどうしても気になってしまいます。

仙台東警察署に勤務する54歳の巡査部長は、2月18日午後9時ごろまで自宅で日本酒を飲み、翌朝2月19日午前6時
車を運転して仙台東警察署に出勤したところ、酒の臭いがすることに同僚が気付き、その場でアルコール検査が行われました。

巡査部長の呼気からは基準値を超えるアルコールが検出されたため、警察では任意に捜査をすすめ、3月17日、巡査部長を
酒気帯び運転の道路交通法違反で書類送検し、巡査部長を低速6か月の懲戒処分にしましした。

もちろん巡査部長は同日付けで依願退職しております。

巡査部長は調べに対し、朝出勤する時、酒が残っていると感じていたがばれなければ大丈夫だと思ったと話しております。
いわゆる二日酔いいよる飲酒運転です。

二日酔い飲酒運転については2月27日のコラムでも取り上げておりますので、関心ある方はそちらもお読みください。

この事件を受けて宮城県警では、県内24警察署と警察本部の各課に、飲酒運転をしないよう文書で通知したということです。
何を今さらと、とても幼稚に感じる飲酒運転防止策ですが、もう有効な防止策がなく本当に打つ手がなくて苦労している県警幹部の様子がわかります。

このような状況ですから、これからの歓送迎会時期、まだまだ警察官の飲酒運転は続きます。
私が現職中に照らして、このような不祥事があった場合、少なくても仙台東警察署は歓送迎会は自粛の方向で署長通達が出ていると思います。

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警察官の飲酒運転交通事故

2014年03月22日 · 未分類

3月は仕事に追われてなかなかブログの更新ができずにいます。
今日は取り組んでいる仕事が一段落したので久々に更新したいと思います。

私は交通事故調査の仕事がメインですが、どうしても元警察官であったため、警察官の不祥事ニュースに関心がいってしまいます。

1件目は3月16日発表の警察官飲酒運転のニュースです。
北海道帯広署は同署地域課勤務の警部補を酒気帯び運転の道路交通法違反で逮捕しました。
逮捕容疑は、3月15日午後8時55分ころ、自宅で午後4時ころから午後8ころまで焼酎の水割りなどを飲んだあと、自家用車を運転して入浴施設に向かう途中
交差点を右折する際に、直進してきた対向車と衝突する交通事故を起こしました。

このようなニュースは本当に残念です。
飲酒運転防止は最終的には個人の自覚以外に防止策はないと思います。
法令や内部規則をどれほど厳格にしても、最終的には個人の自覚に頼らざるを得ません。

道警監察官は「飲酒運転の根絶に取り組んでいる中で職員が逮捕されたことは誠に遺憾。事実関係を調査し、厳正に対処する」というコメントを残しています。
もう、つまらあない言い訳などできる状況にないことがわかります。

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警察の捜査・第一次捜査権

2014年03月15日 · 未分類

警察官は事件事故が発生すると真っ先に現場に急行し、初動捜査から犯人を検挙し事件を検察庁に送致するまでの初期捜査を担っている。そのため警察の捜査は第一次捜査権と呼ばれている。
そして犯罪事件現場の処理については第一次捜査権を有する警察に全ての裁量権が委ねられている。

これは警察が犯罪事件事故を選べることも意味する。
交通事故は日々発生し、必ず処理しなければならず普通は処理する交通事故を選べない。全件を処理するのが当然だからだ。
しかし、刑事課や生活安全課、警備公安課などはこれから着手する事件を選ぶことができる。同様の事件が重なった場合、より話題性、社会性のある事件を選んで捜査を開始することができる。

では、交通事故、交通違反では全く事件を選べないかというとそうでもない。事件を立件するかどうかも現場の警察官のさじ加減ひとつで決めることができる。
もちろんそれが発覚した時は相応の処分を覚悟してのことであるが。
愛知県警では飲酒運転違反者を見逃した巡査部長が書類送検されたという不祥事が起きた。

愛知県警中村署交通課の男性巡査部長は、2013年7月7日未明、中村区の男性会社員が起こした物損事故で、現場の警察官から飲酒運転の疑いがあると報告を受けていたのに出動せず、同月9日に事故を起こした会社員に「処分はない」と
連絡した。さらに同園8月17日に起きた交通事故でも、現場の警察官に「飲酒検知の必要はない」と指示し、適切な捜査を怠り犯人を隠避した。

男性巡査部長は「飲酒運転で会社をクビになるとかわいそうだと思い処分しなかった」と弁解をしている。
このような事例にみるように、第一次捜査権を有する警察官に事件の裁量権を委ねているため、個々の犯罪立件を選択することが
容易にできるのである。これはほとんど全ての交通違反に可能である。

交通事故捜査係を担当した私の経験をもとにすると、この中村警察署交通課の巡査部長、会社員に同情して違反を見逃したというよりも
単純物損事故をより手間暇のかかる飲酒運転事故として事件捜査するのが単に億劫だっただけのような気がする。

比較的現場ではありがちはことだと思う。
飲酒運転を見逃したところで、誰も損をする人はいない。

さらに愛知県警の報道発表を聞き驚いたのは、県警は捜査をやり直し、会社員2人を道路交通法違反(酒気帯び運転)の事実で書類送検(検察庁に事件として書類を送ること)したということである。
事故当時の飲酒検知が行われていないのに、2013年7月と8月の2事件を2014年3月に酒気帯び運転で事件送致するなどできるはずがない。
普通に考えれば検察庁が飲酒検知結果を示す「酒酔い・酒気帯び鑑識カード」の証拠書類が無い飲酒運転事件を受け付けることはない。

はじめから不起訴(犯罪のあらず)の前提で事件送致するのでしょうが、それにしても事件化できないと分かっていてでも送致するのだから
本当に第一次捜査権の裁量権の全てを委ねられていることがわかる。
そして裁量権の全てが委ねられると、必ずそこには捜査員の恣意的判断が入るのである。

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交通警察官の飲酒運転

2014年03月15日 · 未分類

3月に入ってから激務が続いていたが、その間にも特筆すべき事件が起きていたようです。
これまでにも度々取り上げている警察官による飲酒運転ですが、3月7日、京都府警宮澤署の交通課巡査部長が交通課の送別会で飲酒した後自家用車を運転して物損事故を起こしそのまま逃走した事実で
道路交通法違反(酒気帯び運転・事故不申告)の事実で逮捕した報道がありました。

巡査部長は3月7日午後10時25分ころ、酒気帯び状態で京都府宮澤市の府道で軽自動車を運転中、北近畿タンゴ鉄道の踏切に衝突、そのまま車を放置して逃げたということです。
飲酒運転をした理由は、3月7日は交通課長ら交通課の同僚4人と午後10時ころまで酒を飲み、徒歩で一旦帰宅。ところが飲み会の幹事だったが支払いを忘れたことに気付き、官舎から自家用車を運転し支払をしに行く途中だった」と弁解しているようです。

よく理解できない理由ですが、きっとそうなのでしょう。
それにしても、警察官。しかも交通課の警察官で、一緒に飲酒したのも交通課の責任者にあたる交通課長と同課の課員ですから
すっかり交通警察活動が侮辱された感じです。

京都府といえばまだまだ記憶の新しい京都亀岡の交通事故、祇園の交通事故など近年まれにみる悪質極まりない交通事故が起きたばかりで
ご遺族の悲しみもまだまだ癒されいないというのに、どうしてこうも国民を裏切る行為になってしまうのでしょう。

やはり、警察官個々の、いやもしかしたら警察全体の不祥事に対する捉え方に問題があるような気がします。
私が現職中にも当然全国都道府県で飲酒運転や破廉恥罪など様々な警察不祥事件が起きていました。
すると形式的には「他山の石」として教訓とし事故防止に努めましょうという小会議が行われていました。

しかし実質的には「それはそれ、これはこれ」という感覚です。つまり「不祥事は不祥事として処分され、自分たちは通常勤務を粛々とこなすのみ」という考え方です。
もちろんそうしなければ、不祥事が起きる度に他の警察官まで通常勤務が滞ってしまうのでやむをえません。
そこに他山の石として反省教訓が育たない原因があると思います。

どこの都道府県でどんな不祥事がどれほど発生しても、警察官個々の職務執行権限が奪われるわけでもなく、給料が減額されるものでもありません。
するとすべては他人事になってしまうのです。

安定した身分が保障された職種の弊害なのでしょう。
弊害として様々な不祥事が発生しているから、必ず近い将来、また警察官の飲酒運転は発生します。

残念でなりません。

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二日酔い飲酒運転・警察官の飲酒運転

2014年02月27日 · 未分類

2月25日、奈良県警奈良警察署の50代男性警部補が、酒気帯び状態で車を運転し出勤した疑いで捜査している報道があった。
奈良警察署はこの警部補を道路交通法違反(酒気帯び運転)で書類送致し、同時に監察課は懲戒処分を検討している。

この警部補は奈良警察署地域課勤務。「二日酔いで運転している」という情報提供があり、2月上旬に車で出勤してきた警部補の呼気検査を行った。その結果基準値を超すアルコールが検出された。
警部補は「午前1時まで酒を飲んだ。酒が残っていることが分かっていたが運転してしまった」と弁解し、容疑を認めている。

実はこの二日酔いという飲酒運転もなかなか難しい検挙である。
もちろん、呼気検査を実施して数値が基準値を超えていることを証明するだけなら、何も問題はない。非常に簡単な作業で済む。
しかし、飲酒運転は運転手が飲酒運転している、このまま車を運転すれば飲酒運転になるという自覚、認識が必要な「故意犯」である。
警部補の弁解報道の中でも「酒が残っていることが分かっていたが運転してしまった」という、どこななくつじつま合わせを感じる弁解を強調している理由もそこにあるのだ。

この「故意犯」である飲酒運転。逆を言えば「昨夜の酒はもう残っていないと思った」とか「午前1時まで飲んだが5時間も寝たのでアルコールは消えたと思っていた」などと
体内にアルコールが残っている認識が無かった場合は、いかに基準値以上のアルコールが検知されても処罰することができないという問題が潜んでいる。

みなさんの中で、昨夜お酒を飲んだ方はいるでしょうか?
その飲んだお酒が、朝には完全に消化されて体内にはアルコールが残っていないと断言できる人はいない。
もしかしたら、なだ残っているかもしれない。
自分の経験、昨夜の飲んだ量、飲み終えてからの経過時間、自分の感覚に頼って「もう昨夜のアルコールは残っていない」と自己判断しているに過ぎない。
自分はアルコールは残っていないと判断して朝出勤のため車を運転を開始した。
途中、警察官の検問を受けた。

アルコールの臭いもしませんが、一応い念のため飲酒検知を行いますと警察官に言われ
飲酒検知を受けた結果、実際は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムのアルコールが検知された。

警察官から、「これは酒気帯び運転ですので検挙する」と告げられた。
このような場合、法律で人を処罰することは妥当でしょうか?

同じ量のアルコールを飲んでも酔いの程度、アルコールが消化される時間は人によって様々で、同じ人でも固定された時間はない。
飲酒運転が「過失犯」も処罰されることになると、翌朝車の運転が予定されている者は、前夜は絶対に飲酒してはいけない
という事態を招くのである。

結論は、体内にアルコールが残っていることわずかにでも自覚があるのなら、どんな時でも車の運転はしてはいけない
ということになる。

因みに、私は昨夜午前1時30分、風呂上りに350ミリリットルの缶ビールを1本飲んだ。
現在午前10時30分過ぎ。体内にアルコールが残っている自覚は全くない。
午後0時に出発し福島まで車を運転して向かおうと考えている。
こうしてもし東北道で検問を受け、アルコールが検知された場合
それは、飲酒検知の機械が間違っているのだろうか?それとも私の自覚の認識が間違っているのだろうか?

飲酒運転防止の基本は当然、飲んだら乗るな、乗るなら飲むなである。
しかし、飲酒運転防止に取り組む方々の話題の種にでも
この「二日酔い運転」の難しさを頭の片隅にとどめておいて欲しい。

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交通事故の取調べ

2014年02月23日 · 未分類

警察官が行う交通事故の捜査は、交通事故現場に臨場して実況見分を行うことから始まります。
実況見分は交通事故の当事者や参考人、目撃者など立会人から直接説明を聞いて行いますが取調べではありません。むしろ取調べとは厳格に区別されています。
専門的な話しですが、実況見分における立会人の指示説明が、供述にわたるような場合はその指示説明を実況見分調書に記載することはできません。

窃盗、強盗、殺人、強姦など多くの犯罪でも、犯罪現場の状況を明らかにして証拠を保全するために実況見分を行い、その結果を実況見分調書に記載します。
一般犯罪は被害者、被疑者などの立会を得て実況見分調書を作成して、実況見分という捜査の一部分は終了します。

交通事故という犯罪が一般事件と異なるところは、実況見分調書を作成した後で、あらためて実況見分時の立会人を呼び、「交通事故現場見取図」などという名称の図面を立会人に示して
取調べを行う捜査方法をとっていることです。
分かりやすく言えば、実況見分を行った後に、後日、警察官が作成した図面に基づいて取調べを行い、その取調べ状況を「被疑者供述調書」「被害者供述調書」「参考人供述調書」などに録取するのです。
実況見分と異なり、取調べを行うのですらか当然、取調べに先立ち予め供述拒否権を告げた上でなければ違法な取り調べになります。
説明すると煩雑な捜査手段ですが、交通事故当事者となった経験がある方なら、被疑者でも被害者でも、目撃者でも時には遺族でも「あー、あの時のことか」とご理解いただけると思います。

実況見分調書の「交通事故現場見取図」を示しての取調べでは、ほとんどの場合、警察官は供述調書の中に定型的な次の決まり文句を書き込みます。

「この時本職は、平成〇〇年〇〇月〇〇日付け、〇〇県〇〇警察署司法警察員〇〇作成に係る実況見分調書末尾に添付された「交通事故現場見取図」を供述人に示した。」
ただいま見せていただいた交通事故現場見取図は、私が〇月〇日、実際に交通事故の現場で警察官に指示説明したとおりのことが書かれていることに間違いありません。交通事故現場見取図の記号の意味や内容も警察官から説明を受けよくわかりましたが、そのとおり間違いありません。

多少の言葉使いが違いがありますが、概ねはこのような文章を供述調書の中に書き込んで、取調べを継続します。

交通事故当事者の経験をした方ならきっと聞いたことがあるフレーズだと思います。
さて、このような文章が書きこまれた供述調書に署名押印をした場合、後になって、やっぱり実況見分調書の図面はおかしい、と訴えても
その内容を覆すことは本当に難しいと思います。

交通事故の捜査では実況見分調書添付図面を示しての取調べを行うことによって、実況見分調書の信用性をより強固なものにしているのです。
それゆえに交通事故現場の実況見分調書は、交通事故発生直後の状況をまとめたものであるから、交通事故処理上及び裁判上も「最有力証拠」となっているのです。
どちらかが交通事故の内容について否認するような場合には唯一無二の重要な証拠になることもあります。
あとから、いかに「実況見分調書が杜撰である」と訴えても、取調べの段階では前述のような定型フレーズに対して署名押印しているわけですから
そのような訴えが簡単に認められないのは当然です。

捜査には端緒(始まり)があり、必ず終息させなければなりません。
そのため事件は少しでも早く終息させようとする組織的力が働いています。

実況見分時に、様々な地点を警察官に質問されても正確に答えることはできないこともよく分かります。だからと言って、「そんなこといちいち覚えてないし、分からない」と言い続けても
交通事故処理は進みません。「大体、このあたりだと思う」程度には答えられなければ、車の運転手としての注意力を全く果たしていなかったということにもなりかねません。

そのような時には、実況見分調書添付の「交通事故現場見取図」を示されての取調べ時にはっきりと「交通事故現場見取図に書かれている内容は、絶対に間違いないという意味ではありません。」といった内容で補足しておくべきたと思います。
詳しい補足説明の内容はまた次の機会にしたいと思います。

どのような時でも、自信がないこと、曖昧なことが残されている文書は慎重に検討しなければなりません。
特に、絶対、全く、決してなどの言葉にはより注意が必要です。

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