交通死亡ひき逃げ事故・否認事件民事判決

2020年06月26日 · 未分類

IMG_2293

当社が関わり鑑定書を作成している交通死亡ひき逃げ事故・否認事件の民事裁判判決が6月22日、岐阜地方裁判所であった。

事件の経緯はジャーナリスト柳原三佳氏がヤフーニュースで詳細に記事にしているから参考にされたい。

https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagiharamika/20200625-00185014/

この事故は2014年6月12日、被害歩行者の岡田紀子さんが横断歩道を歩行中に被告車両に跳ねられ死亡し、被告車両は救護措置等を取らずに現場を立ち去り、その後の捜査で被告車両の血痕付着状況等でが認められた車両を押収した上で、6月18日、被告車両を運転していた女性を逮捕した。
もちろん岐阜県警の捜査の経過や逮捕の必要性があるからこそ、裁判官は被疑女性に対する逮捕状を発付したのである。

被告女性は、事故への関与を否認し続け、理由を定かにしていないが岐阜地方検察庁検察官は被告女性を不起訴処分(裁判を求めない処分)とし、岐阜検察審査会も検察官の不起訴処分を支持する決定をした。

当社は、ご遺族と事件を担当した名古屋南部法律事務所の高森裕司弁護士からの依頼を受け、司法解剖所見、DNA型鑑定結果、防犯カメラ映像解析等、警察捜査記録を精査し多角的視点から否認を続ける被告運転車両が事故を起こした唯一の車両であるとする結論の調査報告書を作成した。

しかし、岐阜地方検察庁検察官は交通死亡ひき逃げ事故の被告として起訴しない方向性定を維持している。
当社として、まだまだ力不足であったかと反省をしたいところであるが、事件の記録を見てもどこを反省すれば良かったのかわからなかった。

事件は民事裁判へと移り、当職も証人尋問を受け審議が続いていたが6月22日、岐阜地方裁判所民事2部で判決公判があった。
判決分で裁判官は、長年交通事故捜査に従事していた佐々木の調査報告書内容は合理的で信用できるとして、被告女性の100%過失を認定し損害賠償を命じ、刑事と民事で異なる司法の判断となった。

ご遺族は、今後も被告には適正な法の処罰を求めており、当社でもまだやりつくせていない部分があるのであれば応援したいと考えている。

例え刑事上で不起訴処分となっても、諦めてはいけないと実感した。
これまで多くのご遺族と、苦しい裁判に関わってきたが、最後まで諦めないご遺族の力はなによりも大きいと感じている。
多くの支援者の皆様、ありがとうございました。

岡田紀子様のご冥福をお祈り申し上げます。

タグ :