飲酒運転捜査を巡る問題

2014年07月19日 · 未分類

6月16日のコラムで長野県警千曲署の警察官が飲酒運転捜査の過程で破損してしまった飲酒検知管を
別の飲酒検知管にすり替えて事件を長野地検に送致した証拠品の捏造事件について記載した。

この事件に関して7月19日時、長野県警は証拠品捏造に関与した疑いで警部ら4人の現職警察官を書類送検する方針を固めたと報道があった。
この事件では、運転手も呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールを帯びた状態で飲酒運転事実を認めている。

しかし、その後運転手の飲酒検知に使用した飲酒検知管がひび割れ破損していることに気付いた警部以下4人の警察官が
アルコール入りの洗口液を口に含んで別の飲酒検知管に呼気を入れて、真実とは異なる飲酒検知管を捏造したものである。

私は飲酒運転は理由の如何に問わず絶対に許されるべきではないと確信している。
しかし、捏造された証拠品で人が刑事処罰を受けることは絶対にあってはならないとも思っている。

長野地検は既に有罪が確定しているこの運転手に対し「無罪」を求める再審請求をする見通しをたてている。

私が関与している飲酒運転による交通事故遺族の中には
飲酒運転を立証して欲しくても、立件できずに捜査不審に陥っている方もいる。
このような飲酒運転で愛する人の命を絶たれたご遺族からすれば
一旦は飲酒運転で有罪判決を受けた者が、検察官によって再審請求で無罪を求刑されるなど納得できないのではないだろうか?

このように警察官が虚偽の公文書を作成したり、証拠品の適正な管理を怠ると
その弊害は必ず県民が受ける結果になる。
公文書を作成し、公印を押す者は絶対に虚偽性を疑う文書を作成してはいけないのである。
これは私の信念でもある。それ故に
当社も社印を押す文書を作成し世の中に送り出している。
その文書に一切の虚偽性が無いことはもちろんである。
その疑いをもたれる文書にも社印は押さないことを徹底している。

鑑定書、調査報告書、診断書や施術書など文書の公信性が要求されている文書は
絶対に虚偽性が疑われてはいけないと思っている。

4人の警察官は全員辞職する意向を示しているらしいが
飲酒運転の取締りをしようとする警察官として求められる仕事をしているのに
その捜査処理によって職を辞するのは非常に残念で、その家族のことなどを思うとやるせない。

ところで、飲酒運転捜査の中で、飲酒検知管の証拠保全措置を適正に行っていれば
飲酒検知管にひび割れが生じたとしても「酒酔い・酒気帯び鑑識カード」は有効だし
飲酒検知管を捏造して送致さえしなければ、立件可能だったと思う。

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