飲酒運転捜査の証拠捏造

2014年06月16日 · 未分類

長野県警千曲署の警察官が、飲酒運転の疑いがある自動車運転手を書類送検する際、捜査に使用していない飲酒検知管を証拠として使った疑いがあることが判明した。
毎日新聞の取材報道によれば、担当警察官のほか、上司にあたる複数の警察官も事情を把握し関与していた可能性もあり、証拠隠滅などの容疑で捜査をしている。

長野県警によると、昨年夏、千曲警察署交通課の男性警察官2人が市内を巡回中、飲酒運転の疑いがある男性の呼気アルコール検査を飲酒検知管で測定した。
飲酒検知管はガラス製で証拠として保存しなければならないが、後になって飲酒検知管にひびが入っていることが分かり、警察官は酒気帯び運転で摘発対象の呼気1リットルにつき0.15ミリグラムの数値が出た別の飲酒検知管と取り換え、捜査書類にもその数値を記入した。

運転手は道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で書類送致され、飲酒運転を認めていたという。

報道内容は以上である。

私は、飲酒運転はいかなる理由があっても厳重処罰されるべきだと常々考えている。
しかし、本案件が事実であるなら、私は運転手を飲酒運転で刑事処罰をするのは不適切だと思う。

このような違法な捜査によって犯罪事実が立証されることが当たり前になってしまったのなら
法秩序は乱れ、ますます警察官が作成した司法書類の信憑性が失われる結果になる。

本件では運転手に行政処分を科すことは可能かもしれないが、捏造した証拠と判明したもので人を刑事処罰することは許されないと思う。

それにしても、飲酒検知管を捏造した経過がこのように発覚したのは
違法捜査に疑問を感じた内部警察官の告発以外にない。私は個々の警察官として正しいと思う。

交通違反の摘発というものは、明らかに違反事実はあるのだが、様々な条件、理由で違反として立件不能となる場合がある。
本件もまさにその立件不能にならざるを得ない事実で、確かに大切な証拠品の保管管理に落ち度があったことは責められるが
いかに表面化する可能性が少ないとしても、別の証拠品を捏造して対応すべきものではないことは当然である。

ところで、飲酒検知管は報道されたようにちょっけん3~4mm程度、長さ12~13cmの細いガラス管である。
外力を加えれば簡単に破損する。

しかし、飲酒検知管を裸のまま証拠保管することはなく、必ず例外なく、違反運転手の面前で飲酒検知管を保護ケースに収め
封筒に入れ、書名押印並びに封印の指印を押させて保管するものである。

すなわち適正に証拠価値を保ちながら保管しているなら飲酒検知管が破損することはほとんど考えられず、
破損した飲酒検知管を別の物と交換したならば、違反運転手の封印がされてある封筒を開いた上でなければ絶対に不可能な行為である。

その経過も明らかにして欲しいと思う。

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